
英国での原発新設計画について記者会見する日立製作所の東原敏昭社長=1月17日、東京都千代田区【拡大】
国の安保にも直結
エネルギー政策は国の安全保障にも直結する。とりわけ民間に責任を負わせるだけの原発政策はもう限界だ。
世界の原発市場では、国家の全面支援を受ける中国、ロシアのメーカーがコストを度外視して新興国に売り込みをかけている。このままでは原発事業で両国が世界を席巻するのは時間の問題だ。それは「国際的な核管理の観点からも望ましい姿とは言えない」(日経)。
経団連会長でもある日立の中西宏明会長は原発について「日本は本当に大丈夫か、長期を見通す議論が不足している。方向付けに対する議論をどの政治家もやらない」と苦言を呈している。
安全性の確保を大前提にメーカーや事業者がコストダウンを図るのは当然だが、政府も当事者意識を持って対応すべきだ。原発をエネルギー政策のなかでどう位置づけていくか。将来像が固まらないと、ビジネスとしての原発は存続できない。
米国などでは安価で安全性も高いとされる小型モジュール炉(SMR)など、従来の発想を離れた画期的な研究・開発も進む。
SMRは小出力の原子炉を複数組み合わせたもので、使用核燃料も少なくて済む。ポンプやモーターといった動力を使わないため、万が一の事故時も自然冷却が可能で安全性が高いという。複数の炉を必要な分だけ稼働させれば、火力発電並みの調整電源として使える。こうした技術競争に、日本企業も積極的に参戦すべきだ。
産経主張は「資源小国の日本にとって原発は再生可能エネルギーと並ぶ貴重な国産電源だ。しかし、政府が世論の反発を恐れて原発政策を曖昧にする限り、原発技術を次世代に引き継ぐことなどできない」とする。同感だ。