花王が４日に発表した２０１８年１２月期連結決算（国際会計基準）は営業利益が前期比１．４％増の２０７７億円で、６年連続の過去最高となった。化粧品事業の利益が拡大した。
最終利益は同４．５％増の１５３６億円と、５年連続で過去最高となった。売上高は同１．２％増の１兆５０８０億円だった。
化粧品事業の営業利益は２７７億円と、前期比で１４７億円増加した。敏感肌向けの「キュレル」「フリープラス」などが好調だった。
一方、営業利益と売上高は期初計画を下回り、子供用紙おむつの苦戦が目立った。中国でインターネット通販事業者に登録や納税を義務づける電子商取引法が成立したのに伴い、業者による日本での爆買いが減少。業者の在庫処分で中国の価格が下落し、正規販売されている商品まで影響を受けた。４日に会見した沢田道隆社長は「厳しい１年だった」と振り返った。
１９年１２月期は、売上高が前期比４．８％増の１兆５８００億円、営業利益が同８．３％増の２２５０億円、最終利益が同５．４％増の１６２０億円と増収増益を見込む。１０月に予定される消費税増税について沢田社長は「増税後は化粧品中心に新製品投入で対応する」と述べ、影響を最小限に食い止める考えを示した。