【登板】三菱重工業・泉沢清次氏「コングロマリットの強み生かす」

4月1日付で社長となる泉沢清次常務執行役員=6日午後、東京都千代田区(納冨康撮影)
4月1日付で社長となる泉沢清次常務執行役員=6日午後、東京都千代田区(納冨康撮影)【拡大】

 技術管理畑を長く歩み、研究開発体制の改革などに携わった。今後はトップとして人工知能(AI)など新技術の活用や事業のグローバル化といった課題に取り組むが、宮永氏は「一分野にこだわらず、公平な判断力を発揮してくれるだろう」と太鼓判を押す。

 印象に残る仕事として、平成25年から三菱自動車に出向し、品質プロセス改革を担った3年間を挙げる。「企業文化も異なり戸惑ったが、どこであれ仕事に取り組む本質は変わらないと実感した」。宮永氏は、その働きぶりを耳にして経営中枢に引き上げたという。

 来年には開発が難航したMRJの納入がいよいよ始まる一方、脱炭素の逆風にさらされる火力発電事業の改革が急がれる。「発電からCO2(二酸化炭素)回収まで多岐にわたる事業を持つコングロマリット(複合企業)の強みを生かし、組み合わせによって社会課題を解決したい」と意気込む。

 千葉県浦安市出身、妻と一男一女の4人家族。池波正太郎などの歴史小説を好み、今も打ち込む剣道は教士七段の腕前を持つ。(山沢義徳)