ビジネス解読

革命なるか 「牛角」創業者が“お一人さま”向け格安焼肉店 (3/3ページ)

 郊外で受け入れられるか

 食品業界では、個食市場に注目した動きが活発だ。1人用鍋調味料、1人用お節、電子レンジで温めて食べる1人前商品などだ。12年ごろから広く言われるようになった、クリスマスを1人で過ごす「クリぼっち」対応でも、コンビニエンスストア各社が昨年、相次いでお一人さま向けのケーキを発売し、好調だった。

 ただ、既存の焼肉ライクの店舗の業績が順調なのは、都心の駅近くにあり、帰宅帰りの会社員らの「ちょっと贅沢(ぜいたく)したい」というニーズを満たしているからだ。果たして家族層が多い郊外に進出した場合にも当てはまるのだろうか。

 西山氏は、郊外における焼肉店の単価は食べ放題で2800円前後が相場で、1000円台で食べられる焼肉店のニーズは高いとみる。一方で、「焼肉ライクの良さは滞留時間が短いことだ」とも指摘しており、店のレイアウトやメニューなどを工夫し、ファストフード店の良さを生かしつつ、家族層を取り込みたい考えだ。

 西山氏は「人件費が上がっても(経営が)耐えうるようにしなければならない。そのために、付加価値を高めてお客さまに喜んでもらわなければならない」と話す。

 焼肉ライクは、焼肉文化の常識を覆す“革命”となるか。(鈴木正行)

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