スルガ銀、新たに不正 パートナー探し混迷も

 シェアハウス投資をめぐる不正融資問題で「優等生」のメッキが剥がれたスルガ銀行は、2018年4~12月期連結決算でも業績低迷が続いた。デート商法に絡んで無担保ローンを融資していた疑いも新たに発覚し、根深い不正体質が改めて鮮明となった。焦点のパートナー探しにも影響しかねず、経営再建の行方は混沌(こんとん)としている。

 高収益の源泉だった不動産融資は、審査書類の改竄(かいざん)ありきのビジネスで、業者と一体となり融資案件を探す手法が不正の温床となった。デート商法も同様の手法が使われた可能性があり、問題に詳しい加藤博太郎弁護士は「不動産融資が社会問題化したのに、懲りずに別のローンで不正をしていた」と批判する。

 スルガ銀は企業統治の強化が急務で、再建には有力パートナーが不可欠との見方がもっぱらだ。引責辞任した岡野光喜前会長ら創業家側が保有する約15%の株式がどこに売却されるのかが焦点となっている。

 パートナー候補には同じ県の静岡銀行が挙がるが、岡野氏側のアレルギーが強いとされる。隣接する神奈川県が地盤のコンコルディア・フィナンシャルグループは、傘下の東日本銀行が業務改善命令を受けたのがネックだ。拡大路線のりそなホールディングスやSBIホールディングスも取り沙汰され、なお見通せない状況だ。