ラジカルラボ、幼稚園などに「キエルキン」無償提供 子供のインフル予防で貢献

梨花幼稚園の園児らに囲まれるラジカルラボの石田昌治社長。同園ではキエルキン使用後、集団感染がなくなったという=2018年6月、静岡市駿河区
梨花幼稚園の園児らに囲まれるラジカルラボの石田昌治社長。同園ではキエルキン使用後、集団感染がなくなったという=2018年6月、静岡市駿河区【拡大】

 インフルエンザが猛威を振るう中、幼稚園や保育園での集団感染を防ごうと奮闘するベンチャー企業がある。除菌や消臭に威力を発揮する次亜塩素酸水「キエルキン」を生産・販売するラジカルラボで2012年10月からこれまで約730園に無償提供し、集団感染の発生激減に貢献している。同社の石田昌治社長は「自ら感染予防できない子供たちを守りたい。医療費抑制のほか、母親の社会進出にもつながる」と全国を走り回って導入を呼びかけている。

空間噴霧でき即効性

 「近隣の小中学校でインフルエンザがはやっているのに、セイユウ保育園(静岡市駿河区)ではほとんど出ていないのは何か特別なことをしているのですか」-。同じ学区内の小児科の先生から電話でこう問われた同園はキエルキンを使っていることを明かし、「安全・安心なので気軽に使える。非常に便利」と伝えた。

 それまでは次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする製品を使用していたが、強アルカリ性なので薄めて使う必要があるなど手間がかかる上、危険なものという認識から扱いづらく、子供にかからないよう神経を使っていた。

 一方、空間噴霧できるキエルキンは即効性があるほか、水に戻るので口に入っても問題はない。臭いも消えるため、ボトルに用意しておけば嘔吐(おうと)時などあらゆるシーンですぐに使用できる。アルコール消毒では効きにくいノロウイルス、ロタウイルスにも効果があるという。

 キエルキン効果を確認した園は異口同音に「今後も継続して使いたい」「供給量を増やしてほしい」と要望する。インフルエンザをこじらせ脳障害を起こしたり、肺炎で亡くなったりすることもあるだけに、「子供たちの衛生面に気を使ってくれる園」とアピールできる。

 働く母親にも、安心して子供を預けられるだけに心強い。子供が体調不良を訴えれば呼び出され、インフルエンザなどにかかれば数日間仕事を休まざるを得なくなる。キエルキンは早退や欠勤の不安を解消する。

医療費抑制にも寄与

 インフルエンザ感染者は年1000万人といわれ、国が負担する医療費も1000億円に達するという。園での感染者減少は財政負担の軽減にもつながる。

 少子化、女性の社会進出、財政問題の解決につながるだけに「幼稚園、保育園に使ってほしい」と石田氏はキエルキンを携えて東奔西走する。感染症予防は手洗いとうがいのみという園も少なくないからだ。「厚生労働省も効果を認識しており、『使っても問題ない』と通達してほしい」という。

 企業などからの注目度も高まっている。社員が集団感染にかかれば収益機会の喪失につながるからだ。販売代理店を通じてオフィスのほか、介護施設や病院などに販路を拡大、順調に業績を伸ばしているという。

 1園当たりの寄付は園児100人に対し年80~100リットルで、寄付総額(販売額ベース)は約5600万円に達する。今年中に1000園まで増やす計画で、寄付に賛同する企業を募っている。石田氏は「5年後には全国の私立の幼稚園、保育園に寄付したい」と意気込む。

【会社概要】ラジカルラボ

 ▽本社=静岡市駿河区高松1-26-5

 ▽設立=2012年4月

 ▽資本金=350万円

 ▽従業員=7人

 ▽事業内容=細菌、ウイルスに関する研究開発