□キッコーマン「いつでも新鮮 特選丸大豆しょうゆ まろやか発酵」
これまでにない甘くフレッシュな香り実現
和食が世界的なブームとなっている。ひところはヘルシーということで珍重されていたが、最近は訪日外国人観光客の増加も手伝って、和食本来の繊細な味付けや奥深さが評価されるようになった。今回の「これは優れモノ」は、和食に欠かせないしょうゆを取材した。
◆地方ごとに異なる嗜好
キッコーマン食品が2月に発売したのが「いつでも新鮮 特選丸大豆しょうゆ まろやか発酵」。
「しょうゆが持つ芳醇(ほうじゅん)な香りやまろやかさを引き出すことに注力しました」と話すのは、同社プロダクト・マネジャー室の塚本崇さん(35)。入社以来、販売の第一線で、しょうゆに対する消費者ニーズの違いを見てきた。
例えば、名古屋を中心とした中部圏では濃い色合いでコクのある、たまりしょうゆが好まれたり、東北地方ではうまみの強いものが好まれたりと、その土地の気候や食文化によって嗜好(しこう)が違うという。
「でも、最近は健康志向の高まりから、全国的に減塩タイプが人気」(塚本さん)という。
しょうゆのルーツは諸説あるが、紀元前に東アジアで発達した「醤(ひしお)」まで遡(さかのぼ)る。当時から塩漬けによる食料保存が行われており、この過程で食物が発酵・熟成し、独特のうまみを持つことが分かっていた。
醤は原材料によって、肉醤、魚醤、穀醤などに分類される。このうち穀醤は大豆などの穀物を主原料とするもので、日本のみそやしょうゆはこれが発展したものだ。
13世紀の鎌倉時代の日本では、「溜(たまり)」が生まれたといわれている。中国で修行を積んだ日本の禅僧が持ち帰った金山寺みその製法を紀州(現在の和歌山県)の人々に教える過程で偶然に発見されたものだった。
今日のものに近いしょうゆ造りが確立されたのは江戸時代。原料は、大豆・小麦・食塩のみ。大豆と小麦、麹菌を混ぜて作ったものが麹で、これに塩水を混ぜ「もろみ」を作る。もろみは半年以上寝かせて発酵・熟成させる。
◆3段階の発酵が生む味わい
「しょうゆは人間による技術に加え、微生物と自然の力が時間をかけて生みだすものです」と塚本さんは、人知を超えた発酵の難しさを説明する。
しょうゆ造りでは主に3段階の発酵が行われると言う。最初に、もろみの中で麹菌が生み出す酵素の働きで大豆と小麦を分解し、おいしさのもととなるアミノ酸や糖に変える。次に乳酸菌による発酵で複雑な味わいができる。最後に酵母がしょうゆ独特な香りを作る。
現在しょうゆが世界中で使われているのは、発酵によってできる複雑で奥行きのある味と香りが、どんな素材とも相性が良いからだ。日本でも、甘酒や塩麹などが人気となり、発酵食品の良さが見直されてきている。
そんな中、キッコーマン食品の「いつでも新鮮 特選丸大豆しょうゆ まろやか発酵」も、発酵技術に磨きをかけて開発された一品だ。「これまでにない甘くフレッシュな香りが楽しめる、万能しょうゆです」と塚本さんは、製品の仕上がりに自信をのぞかせた。