グルメサイトのアプリ「SARAH」のオムライスの検索画面。食べたい料理を絞り込み、店舗を検索できる【拡大】
グルメサイト運営のベンチャー、SARAH(サラ、東京都台東区)はこのほど、食品メーカー向けに外食ビッグデータを分析する「フードデータバンク」の販売を開始した。これまでの食品メーカーなどからの広告や店舗情報の掲載料収入に加え、データ分析と今後開始する有料会員向けサービスを次の収益源に育成したい考えだ。
同社はフードデータの販売促進や機能強化を目的に、2月に約2億5000万円の増資を実施、三井物産やハウス食品グループ本社など4社が引き受けた。
「ぐるなび」など一般的なグルメサイトは、和食や中華、イタリアンなど食のジャンルから店舗を検索するため、口コミ情報は店舗の印象やメニュー情報が大半だ。
一方、グルメサイトアプリの「SARAH」(サラ)は、「カレー」や「麻婆豆腐」「ポテトサラダ」など食べたい料理に焦点を当て、例えば今日は、おいしい「オムライス」が食べたいと思ったら、その一押しの店舗を検索できる。
ポテトサラダであれば「具材の玉子がおいしい」とか、「砂糖が少し多めが好み」といったユーザー目線の口コミデータが入手できる。
シュークリームの口コミ分析では、最近はクリームよりも、生地の「さくさく」感が好まれる傾向だという。消費者トレンドや分析結果を食品メーカーに提供し、商品開発に役立てる。
サラは2015年にサービスを開始。これまでに約42万件のレビューが投稿され、月間のアクティブユーザー数は50万人を超える。登録店舗数も約11万店舗に達し、流行メニューや人気がなくなりつつあるメニューなどの最新トレンド情報を外食向けに販売する。
三井物産は1年半前から取引先の食品メーカー向けにデータを試験販売し、手応えがあったため、資本業務提携した。取引先の食品メーカーの商品開発担当向けにフードデータ販売の仲介を開始。「各社の反応は上々」という。社員も派遣し、企業価値向上を支援する。また、子会社を通じて運営する、イタリア食材マーケットの「イータリー」のメニュー開発との相乗効果も狙う。
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【会社概要】SARAH
▽本社=東京都台東区浅草橋2-25-10
▽設立=2014年12月
▽資本金=4億6000万円
▽事業内容=グルメコミュニティーアプリや企業向け外食ビッグデータ分析サービスの企画・開発・運営