【主張】レオパレス不正 効率優先の体質に呆れる

施工不備問題に関する外部調査委員会の中間報告を受けて会見を行う(左から)コンプライアンス統括部の山口雅弘統括部長、施工不備問題緊急対策本部責任者の蘆田茂執行役員、施工不備問題緊急対策本部副責任者の平坂弘幸部長=18日、東京都中野区(納冨康撮影)
施工不備問題に関する外部調査委員会の中間報告を受けて会見を行う(左から)コンプライアンス統括部の山口雅弘統括部長、施工不備問題緊急対策本部責任者の蘆田茂執行役員、施工不備問題緊急対策本部副責任者の平坂弘幸部長=18日、東京都中野区(納冨康撮影)【拡大】

 賃貸アパート大手のレオパレス21による施工不良問題を調査していた同社の第三者委員会が中間報告をまとめた。

 基準に適合しない建築部材を使ったのは「創業者の指示だった」と明らかにした。施工業務の効率を高めるのが目的だったという。

 入居者の安全よりも施工効率を優先する企業体質が浮き彫りになった。違法の認識はなかったというが、十分な性能試験も実施していなかった。順法意識の低さには呆(あき)れるばかりだ。

 同社が施工したアパートのうち、耐火性能に問題があって改修が必要な物件に住む約7800人に対し、3月中の転居を要請している。だが、約8割の人は転居のめどが立っていないという。

 何よりも施工不良のアパートを早期に改修し、安全を確保しなければならない。そのうえで経営責任を明確化し、企業体質の抜本的な改善が欠かせない。

 国土交通省に提出した中間報告によると、外壁などに設計図と異なる部材を使用したことについて「深山祐助元社長の指示が発端だった」と指摘した。天井裏の仕切り壁の未設置などの施工不良も「組織的な意図を持った施工だった疑いがある」と批判した。

 深山英世社長のおじにあたる祐助元社長は昭和48年に同社を創業し、平成16年に東証1部上場を果たした。施工不良が集中したのも2000年前後で、同社が急成長していた時期である。施工効率を高めて工期を短縮する目的だったのだろうが、組織ぐるみの不正行為は到底許されない。

 第三者委は5月にも最終報告をまとめる予定だ。どのような不正が行われていたのかを徹底的に解明し、経営責任も明らかにしなければならない。法令順守の徹底を促す組織づくりも求められる。それを欠いたままでは再発防止など望めない。

 一連の施工不良問題は、入居者だけでなく、同社のアパートを所有するオーナーにも不安を投げかけている。同社が抜本的な組織改革に取り組まなければ、入居者の信頼は回復できまい。入居率の低下が今後も続けば、アパート経営も成り立たなくなる。

 国交省が同社に対し、夏前までにすべての施工不良を改修するように命じたのは当然である。早期改修に向けて監視も徹底しなければならない。