【健康経営 がんと向き合う】病気のことがよく分かる話 GMS・竹内規夫社長 (2/2ページ)


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 例えば、胃がんが肝臓に転移し、大きさが1ミリの場合。画像検査では発見できず、ステージ4にもかかわらずステージ1と診断されたりする。胃がんを手術などで取って、肝臓には何もしない。肝臓にがんが「あるかもしれない」ことは、先生も想定するので「5年待ちましょう」となる。5年待てば、あるかもしれないがんが大きくなってCTなどに映るようになる。

 転移の可能性が高ければ、あるかないか、分からないがんに抗がん剤治療などを行う。低ければ、何もせずに5年待つ。ただ、転移が絶対にないことはあり得ない。

 このため手術が終わって目に見えるがんが全てなくなっても、完治とはならない。5年経過して再発がなければ、初めて完治となる。ただし、乳がんのように10年待っても「完治」と言わないがんも存在している。

【プロフィル】竹内規夫

 たけうち・のりお 1978年、和歌山県生まれ。がん治療コンサルタント。2008年ごろから、がん患者をサポートする活動を開始。16年、がん治療専門のコンサルタントが、患者をサポートするGMSを設立し、社長に就任。