【健康経営 がんと向き合う】治療方法、確定への流れ GMS・竹内規夫社長


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 腫瘍はまず、画像検査などで見つかる。悪性、つまりがんなのか良性なのか、石灰化なのかが分からない。がんはPET(陽電子放射断層撮影)とCT(コンピューター断層撮影)の両検査が同時にできる「PET-CT」などの画像診断でも、基本的に確定できない。

 確定には「確定診断」という病理検査が要る。具体的には「細胞診」と呼ばれる尿やたんなどにがん細胞があるかを調べる検査や、「組織診」という組織を少し取り、がん細胞の有無を調べる検査だ。「病理医」という医師が細胞を1~5のクラスに分け、「1」だと良性、「5」だと悪性でがんとなる。

 がんを確定するのは主治医ではなく病理医であるため、病理検査の結果を待って確定する。よくPET-CTなどで腫瘍が見つかって、主治医が「がんだろう」と話すが、この時点では「恐らくがん」というだけで確定には至らない。

 ちなみに「クラス」はがんを確定するもので、よく言われるステージとは別だ。

 病理医は慢性的な不足で、検査が外注になることも多く、結果が出るまでに2週間かかることもある。決して重い症状だから結果が遅いわけではない。よくこの手の相談はあるが、ステージに関係なく、2週間かかるときは、かかる。

 「針生検」などの病理検査にはある程度リスクも伴うため、がんの可能性が高くないと積極的には行わない。がんの可能性が低いと主治医が判断すれば、腫瘍が見つかっても半年様子を見る。半年たって腫瘍が大きくなっていれば、がんの可能性が高く病理検査になるが、腫瘍の大きさが変わらないとさらに半年から1年様子を見る。

 基本的にがん細胞を取らないと病理検査はできない。場所によってはがん細胞が取れない。肺がんでも気管から遠いがんや卵巣がんなどは生検ができず、確定診断に至らない。

 基本的に卵巣がんなどは疑いがある段階で手術になる。実際はがんではないこともあり得るが、生検ができない場所にがんがあるときは、仕方がない。

 よく腫瘍マーカーが基準値より高かったり、PET-CTで腫瘍が光ったからという質問を受けるが、がんがなくても腫瘍マーカーが高いこともあるし、炎症などでもPET-CTで光ることもあり得る。がんの確定診断には使えない。

 腫瘍マーカーが正常値でもがんが完治の判断もできない。あくまでも目安にすぎない。病理検査で、がんと分かれば患部とリンパ節転移の状態、遠隔転移の状態を調べて、初めてステージと治療方法が決まる。

【プロフィル】竹内規夫

 たけうち・のりお 1978年、和歌山県生まれ。がん治療コンサルタント。2008年ごろから、がん患者をサポートする活動を開始。16年、がん治療専門のコンサルタントが、患者をサポートするGMSを設立し、社長に就任。