新元号「令和」 「令」の異字形、文化庁「どれもOK」


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 新元号「令和」の「令」の字形が異なる場合があり、困惑の声も上がっている。印刷物や新聞の表記の「令」や、学校や習字などで習う一番上の部首の「ひとやね」の下に点を打ち、下部分が「マ」のように書く場合だ。文化庁国語課は「いずれも同じ文字で、どれを使っても問題はない」としている。

 文化庁によると、小学4年時に国語の授業で教わるのは「マ」の方で、教科書にもそう書いている。習字もこちらの方が多い。一方、印刷物では「令」の字とするのが一般的で、新聞もこれを使っている。

 また、菅義偉官房長官が1日の記者会見で掲げた書は、これらを組み合わせたような形だった。

 文化審議会の国語文化会漢字小委員会でも、かつてこうした字形の違いを議論したことがあった。ただ、平成28年2月にまとめられた指針では「印刷物と手書きの習慣による違いで、問題にする必要はない」とされた。

 一つの漢字をめぐって多様な書き方が混在し続けているが、文化庁は「意味や由来に違いはない。漢字の骨組みが同じであれば、どれを使ってもいい」としている。