トヨタ、HV特許を無償開放 「電動化技術の供給者に」

 トヨタ自動車の寺師茂樹副社長は3日、名古屋市で開いた記者会見で、ハイブリッド車(HV)などの関連技術の特許を無償開放した狙いについて「電動化技術のサプライヤー(供給者)になる」と述べた。需要があればモーターや制御機器をセットにしたシステム自体も他社に供給する。自動車を生産して売るだけではなく、競合他社を巻き込み環境車の普及を後押しする。

 開放した約2万3740件はHVに関係するほぼ全ての特許が含まれ、内訳はモーター関連の約2590件、システム制御に関する約7550件など。期限は2030年末まで。15年1月から無償提供している燃料電池の特許も含む。パナソニックと協業する電気自動車(EV)向け電池の関連技術などは除いた。

 寺師氏は開放しても「われわれの技術に進歩がある限り、競争力はなくならない」と説明した。トラックやバスなど商用車を含む幅広い車種に電動化技術が採用されることを期待する。

 二酸化炭素(CO2)の排出量などに関する環境規制は、欧州をはじめ世界中で厳しくなっている。EVは本格的な普及に向け電池性能や生産コストといった課題も残る。実用性や規制クリアにはHVが当面の「現実解」になるとみられており、トヨタには他の自動車メーカーから引き合いが増えていたという。