生きててよかったな はやぶさ2、弾丸衝突成功 (1/2ページ)

衝突装置作動後、小惑星探査機「はやぶさ2」の退避行動成功が確認され管制室内では拍手が起こった=5日午前、相模原市中央区のJAXA相模原キャンパス(川口良介撮影)
衝突装置作動後、小惑星探査機「はやぶさ2」の退避行動成功が確認され管制室内では拍手が起こった=5日午前、相模原市中央区のJAXA相模原キャンパス(川口良介撮影)【拡大】

 「声が出ないくらいの感動だ」。小惑星「リュウグウ」にクレーターを作るための弾丸衝突に5日、成功した探査機「はやぶさ2」。管制室がある相模原市の宇宙航空研究開発機構(JAXA)で記者会見した関係者たちは重圧から解放され、会場は喜びに包まれた。

 「やってみないと分からず、繰り返しができない作業だけに綿密に計画してきたが、予定地点に衝突できた」。責任者の津田雄一プロジェクトマネージャは笑顔で語った。

 爆発による損傷を避けるため機体を退避させることにも成功。津田氏は「はやぶさ2に『とにかく生きててよかったな』と声をかけたい」と安堵の表情を浮かべた。

 弾丸を発射する衝突装置による作業は世界初の試みだった。開発を担当した佐伯孝尚(さいき・たかなお)助教が「胃に穴が開く前に成功してよかった」と笑いを誘う場面も。会見では「これ以上語ると涙が出る」と感極まるメンバーもいた。

 「平成最後の大仕事になる」。本番前にこう語っていた久保田孝教授は「はやぶさ2は見事にやり遂げた。(5月以降の)採取が令和最初の大仕事になる」と意気込みを見せた。

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