【現場の風】田辺三菱製薬 植物由来のインフルワクチン、臨床段階に (1/2ページ)

インタビューに答える田辺三菱製薬のワクチン室長でMTPCホールディングスカナダ社長の多田俊文氏=13日午前、東京都中央区(萩原悠久人撮影)
インタビューに答える田辺三菱製薬のワクチン室長でMTPCホールディングスカナダ社長の多田俊文氏=13日午前、東京都中央区(萩原悠久人撮影)【拡大】

 □田辺三菱製薬ワクチン室長・多田俊文さんに聞く

 --世界初として開発を進めているタバコ属の葉を使ってインフルエンザワクチンを製造する植物由来のVLP(ウイルス様(よう)粒子)ワクチンの仕組みは

 「既存のワクチンは鶏卵でウイルスを培養し不活化して作られるが、新手法はタバコ属の葉にインフルエンザVLPを作るための遺伝子情報を含む液体を染み込ませ、1週間ほど葉を育てる過程でワクチンのもとになるVLPを培養し、刈り取った葉から抽出・精製してワクチンを作る。過去の実績では5~6週間で製造できる」

 --既存のワクチンより優れている点は

 「VLPワクチンは異物をたたく免疫反応を起こすが、ウイルスそのものではないので、体内でインフルエンザウイルスが増殖するリスクがない。さらに生成が早い植物由来なので、既存の鶏卵由来に比べて製造期間が短縮できる。鶏卵由来のインフルエンザワクチンは製造におよそ半年くらいかかるといわれており、パンデミック(爆発的な流行)で臨機応変に対応できない」

 --開発の経緯、現状は

 「2013年に植物由来のVLPワクチンの製造技術を持つカナダのメディカゴ社に60%出資したのが始まり。今はカナダを含む欧米を中心に臨床試験を実施している」

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