Sakeから観光立国

酒蔵ある地域の未来広げるツーリズム

 時代が「平成」から「令和」へと変わるのを前に、2013年5月に始まったこの連載を終わりにしたい。日本酒の国際化から地方誘客を目指して活動を行っている筆者は、「Sakeから観光立国」という連載を通して多くの人にそのイメージを伝えたいと願ったが、それはかなったように思う。(平出淑恵)

 地方創生に向けて国内各地で官民の酒蔵ツーリズムの動きが語られるようになった。今回は、これまで何度か取り上げた佐賀県鹿島市の「鹿島酒蔵ツーリズム」を紹介したい。

 同ツーリズムは、鹿島市内にある富久千代酒造の「鍋島 大吟醸」が、2011年にインターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)SAKE部門の最高賞「チャンピオン・サケ」を獲得したのを機に、佐賀県や鹿島市と市内6蔵が協力し、街を歩いて楽しむ祭りとして成功させた。12年3月には人口3万人の同市に2日間で3万人が訪れるという実績を挙げた。英ロンドンでの授賞式(当時は9月)から約半年後で、いかに迅速に県や市の関係者が世界一の快挙に対応したかが分かる。

 その後、鹿島酒蔵ツーリズムは、隣接する嬉野市と連携するなど、周辺地域にも広がりをみせている。

 今年は3月23、24日の2日間で過去最高の9万9000人が参加。同ツーリズム推進協議会の光武博之会長(光武酒造場社長)は「ツーリズムを通じて鹿島の素晴らしさをますますアピールし、通年で観光をもり立てたい」と笑顔で語った。

 また、鹿島市観光協会の中村雄一郎会長は今年の成功要因について「JR九州との連携により年間を通じて、肥前浜駅でおでん列車やハイボール列車などの特別列車を受け入れたことや、博多駅や佐賀駅でのキャンペーンなどの積み重ね、酒蔵、地域、行政をはじめ関係者全員の努力のたまもので、九州を代表する日本酒イベントに育っている」と胸を張った。

 筆者も今後、こうした意識の高い地域に、インバウンドを呼び込む取り組みで貢献していきたいと思う。(おわり)

【プロフィル】平出淑恵

 ひらいで・としえ 1962年東京生まれ。83年日本航空入社、国際線担当客室乗務員を経て、2011年コーポ・サチを設立。世界最大規模のワイン審査会、インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)のアンバサダー。日本酒蔵ツーリズム推進協議会運営委員、昇龍道大使(中部9県のインバウンド大使)、東北・夢の桜街道推進協議会アドバイザーを務める。

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