コンビニエンスストアの24時間営業問題は、経済産業省の“介入”でコンビニ側が加盟店支援策の行動計画策定に発展した。セブンは24時間営業をオーナー判断とするなど「加盟店配慮」の姿勢を押し出したが、高収益を生み出してきた成功モデルの見直しは一筋縄とはいかない。
「変化への対応が遅れていた。店舗2万店、社員9千人でコミュニケーションが薄れた」。経産省に背中を押される形での計画策定となったセブンの永松文彦社長は、加盟店との関係強化に向けて真摯(しんし)に反省すると釈明した。
行動計画でセブンが示した加盟店への支援策は新規出店の厳格化と既存店の経営基盤強化、ビジネスモデルの再点検-など。作業量を7時間分削減できるという店内設備10種の更新のほか、セルフレジ導入を含めた省人化の取り組みなど、既存店に今期約1200億円を投資する。
既存店近隣に新店を出す「ドミナント戦略」で店舗数を拡大。配送効率化などを図ってきたモデルは、一方で不採算店増加や販管費の膨張も招いた。人手不足への対応も遅れるなど加盟店の負担を放置した格好で、今回打ち出した時短営業への対応はテスト期間を最低3カ月設けるなど時間的ハードルは高い。
そこからは、従来のビジネスモデルから抜けきれない企業の論理がにじむ。示されたテスト期間の理由についても、売り上げ影響を加盟店に確認してもらうためと説明するが、「非24時間」店舗が増えることによって、集中出店で高めていた配送効率がどの程度悪化するかなどを本部側が見極めるためともとれる。
小売りに革新をもたらしたコンビニの盟主。加盟店との共存を図りながら新たなビジネスモデルをどう構築するかが問われる。