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フリマに英会話、旅行…アクティブシニア向けビジネス活況 (1/2ページ)

 超高齢社会を迎え、年を重ねても新しいことに積極的な「アクティブシニア」を対象にしたビジネスが活況だ。個人間の商品売買を仲介するフリーマーケット(フリマ)アプリに出品したり、英会話に挑戦したりする高齢者が増加。IT化や訪日外国人客の急増といった社会の変化に対応しつつ、市場を拡大している。

 「売れたときは体を電気が走ったような衝撃だった。売るってこんなに楽しいんだと思った」

 3月中旬、フリマアプリ大手のメルカリが大阪市内で開いた60歳以上限定のアプリ利用者懇談会で、京都府の60代の女性はアプリで初めて物を売った経験をそう語った。

 教師を退職後、生活に物足りなさを感じていた頃にメルカリの存在を知り、約3年前から衣服やバッグなどを出品。「どんな人が使ってくれるのか、わくわくしながら(商品の)発送先のあて名を書く。全国とつながっている気持ちになる」

 同社によると、フリマアプリは20~30代を中心に市場を拡大してきたが、近年は60歳以上の利用が急増。「生前整理」などのコメント付きで出品される商品が平成30年は前年の約2・5倍となった。

 同社が今年2月に全国の1648人を対象に実施したインターネット調査によると、アプリ利用後の意識変化として「社会とのつながりを感じるようになった」が60代以上で26・8%に上り、20代(9・9%)の約3倍だった。

 一方、ECC(大阪市)は昨年4月、高齢者などのシニア向け英会話コース「ECCプラチナクラブ」を開設した。英文の音読を繰り返すなどの訓練よりも、教師や受講生同士の交流を重視。日本語を交えた分かりやすいテキストで実用的な会話を学ぶ。

 同社は昭和37年の創業時からシニア向けコースを設けているが、受講者数は平成29年4月からの1年間で76・3%増えた。プラチナクラブに通う動機は「洋画のせりふや洋楽の歌詞を英語で理解したい」「老いた母を海外旅行に連れていきたい」などさまざまだ。

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