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東京電力ベンチャーズ・赤塚新司社長 年2~3の新事業創出へ提携積極化

 東京電力ホールディングスは新しい事業の創出を重点課題として掲げている。事業の成功確率を高めるため立ち上げたのが東京電力ベンチャーズ(東京都千代田区)だ。今月末で設立1周年を迎える同社の赤塚新司社長は「年に2~3の新規事業を生み出したい」と意欲を示す。

需要応答事業に参入

 --他社との連携に意欲的だ

 「4月から九州で、デマンドレスポンス(需要応答)事業に参入した。増加傾向にある再生可能エネルギーは天候の影響を受けやすく、発電量の予測が難しいことから、需給・周波数調整が一段と重要になる。高度な人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)技術を活用して欧州で実績を残している、英セントリカと提携した」

 --ドローンを活用した事業にも力を入れている

 「新しい技術を備えているベンチャーと接点を持って、送電線の巡視点検など既存事業の生産性の向上を目指す。送電線を物流に活用するなど、保有資産をビジネスにつなげていく。楽天とゼンリン、埼玉県秩父市とともにドローンハイウェイ(ドローン専用の飛行空域・空路)を活用した、山間部での荷物配送実験に成功している」

「アフターFIT」対応

 --今後の重点事業分野は

 「蓄電池やEV(電気自動車)によって電力を蓄えられるようになり、分散化している。この動きに対応していくのが大きなテーマだ。その一環として米ハワイ州の太陽光発電・蓄電池事業者であるAdon(エイドン)グループに出資した。日本でも系統電力だけでない供給形態が必ず活発化するはずなので、事業環境が整っているハワイで実践を積みたい」

 --そのほかの重点戦略は

 「EVにためた電力を家庭や民間のビルなどに供給する動きが活発化すると思っている。このため米ベンチャーに出資し、EVを活用した充放電に挑戦していく。また、太陽光発電の余剰電力を法律で決められた価格で買い取ってきたが、固定価格買い取り制度(FIT)に基づく契約が順次、満了を迎える。“アフターFIT”への対応にも積極的に取り組んでいきたい」

【プロフィル】赤塚新司

 あかつか・しんじ 信州大工学系研究科博士前期課程修了。1995年東京電力(現東京電力ホールディングス)入社。新成長タスクフォース事務局長を経て2018年7月から現職。48歳。

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