ミニバイクとしての走行や自転車のようなペダル走行ができるハイテクバイクを開発した企業「glafit(グラフィット)」(和歌山市南大工町)は、公道で走行実証実験をするため、内閣府に市と共同申請する。原付免許が必要なミニバイクだが、ペダル走行時に自転車とみなしてもらえるよう、法規制の見直しなどを目標にしている。
同社が平成29年に開発したハイテクバイク「GFR-01」(車両本体価格15万円、原付免許が必要)は、電動バイク走行とペダル走行、モーター駆動を利用したペダル走行の3パターンで走行可能。累計3千台以上を売り上げている。
バイクは、市が広報媒体などを通じて商品の販路拡大を支援したり、市の補助金の上限額をアップしたりする「チャレンジ新商品」にも認定されている。
同社などによると、バイクはペダル走行時は実質的に自転車と同じ走り方になるが、ミニバイクと同じ扱いになるため、歩道や自転車専用道路では走行できない。「低スピードで車道を走るのは怖い」といった利用者からの声も寄せられているという。
そこで同社は、ペダル走行時のバイクを自転車とみなしてもらうことを検討。30年度に導入された、革新的な事業を育てるための実証実験をしやすくする内閣府の「規制のサンドボックス制度」に申請し、認められれば市内の公道で実証実験が可能になる。
実験では、レンタサイクルとして市民や市職員らがバイクをペダル走行で利用し、安全性検証などに必要なデータを取得する予定。認定されれば、県内企業としては初めてという。
尾花正啓市長は16日の定例会見で、「法改正も含めたすごいチャレンジをされるわけで、市としてもぜひ協力したいし、意欲を高く評価している」と期待。同社の担当者は「新しい乗り物をつくる上で、規制にとらわれていると、それ以上のチャレンジはできない。現在の交通の諸問題を解決できるような乗り物づくりに挑戦していきたい」と話している。