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経済効果1000億円超! 「大阪初」世界遺産、訪日客増に弾み  (1/2ページ)

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関イコモスによる勧告で、世界文化遺産登録がほぼ確実となった「百舌(もず)鳥・古市(ふるいち)古墳群」(大阪府)は、登録が決まれば大阪府で初の世界文化遺産となる。インバウンド(訪日外国人客)景気に沸き、2025年の万博開催が決まった大阪。海外での知名度も高まる世界遺産というコンテンツの誕生に、観光業界は早くも熱い視線を注いでおり、経済効果は1千億円を超えるという試算も出ている。

 東京都千代田区の旅行会社「ユーラシア旅行社」は15日から、セスナ機に乗って上空約500メートルから古墳群などを見渡す遊覧飛行を含む2泊3日のツアーを初めて実施。半年前からツアーの募集を開始し、年明けから徐々に申し込みが増えたといい、担当者は「正式に(世界遺産への登録が)決まれば、さらに増えるはず」と、今後に期待を寄せた。

 堺市の公益財団法人「堺都市政策研究所」が公表した試算では、同古墳群が世界遺産に登録された場合、堺市などの地元自治体を訪れる観光客数は平成27年度の約1.8倍の約2千万人と推計。経済効果は大阪府全体で約1005億8400万円に及ぶという。

 国内の他の世界文化遺産では、登録後に観光客が急増している。「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産群」(長崎、熊本県)では、昨年7月の登録決定後の9カ月間で、前年比5割増となる約69万人が来訪。26年6月に登録された「富岡製糸場」(群馬県富岡市)でも、毎年10万~20万人だった訪問者が登録後には100万人以上に跳ね上がった。

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