NTTドコモは22日、4月に発表した携帯電話の通信料を最大4割値下げする新しい料金プランの予約を開始した。ドコモは同日、新しい料金体系についての説明会を開き、改めて値下げ効果を強調した。新プランの発表以降、値下げ幅が不十分などとの批判を受けた異例の対応で、背景には楽天の携帯電話事業参入への対抗意識がある。
ドコモの発表後、KDDI(au)が容量制限のない使い放題プランを含めた新料金体系を発表するなど、追随する動きもあり、競争が本格化。政府からの料金の値下げ圧力が強まる中で、楽天参入によるさらなる値下げへの期待が高まっている。
総務省では携帯電話の通信料金と端末代金のセット値引を禁止する改正電気通信事業法の施行に向けた詳細なルールを示す関係省令の改正の議論が始まったばかり。ドコモが総務省の結論を待たずに新しい施策を先行させるのは、楽天参入で後手に回らないためだ。
ドコモの田畑智也料金制度室長は説明会で「先んじて料金を見直し、安さを実感してもらう。参入した楽天の料金の方が安いという雰囲気をつくられるのを避けたい」と危機感を繰り返した。楽天の料金次第では、追加の値下げ策を取る考えも示した。