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航空部品メーカーが多角化 受注減、ラーメン店経営も

 航空機産業が盛んな愛知県で、部品を手掛けるメーカーが事業の多角化を進めている。米航空機大手ボーイングが大型機「777」を減産し、国産初のジェット旅客機MRJ(三菱リージョナルジェット)の開発も遅れ、受注が減っているためだ。ラーメン店経営に乗り出す企業まで現れた。

 MRJ試作機の胴体製造の一部を担当した東明工業(愛知県知多市)は昨年7月、ラーメン店「らーめん鱗」を5店舗展開するアスタイル(大阪府茨木市)を買収した。今後3年でカナダなど国内外で計約20店舗に増やす方針だ。担当者は「飲食業は日々現金が入る。航空機産業の好不況の波を平準化できる」と強調する。

 航空機組み立てのエアロ(愛知県弥富市)は、中国メーカーの小型無人機(ドローン)の販売を始め、操縦者を育成する学校も開いた。点検や修理も手掛けている。

 切削加工の熱田起業(名古屋市)は、約2年前から産業用機械など他業種が参加する展示会に出展を始め、自動車部品の試作品の加工などを請け負うようになった。売上高の大半を占めていた航空機関係の割合は7割程度まで下がった。幹部は「受け身の姿勢では会社として成り立たない」と新規の顧客獲得に意欲を示している。

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