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医療ベンチャーがニコチン依存症治療アプリ キュア・アップが薬事申請、来春保険適用も

 医療ベンチャーのキュア・アップ(東京都中央区)は30日、開発中のニコチン依存症治療アプリについて、厚生労働省所管の新薬や医療機器の有効性を審査する医薬品医療機器総合機構(PMDA)に薬事申請したことを明らかにした。来春にも薬事承認が得られ、保険適用となる可能性がある。

 小型の測定器で呼気中の一酸化炭素の濃度を測定し記録をアプリに入力。さらに日々の体調の変化なども書き込む。医師がその内容をもとに生活習慣などを助言する。

 同社は2014年から慶応大学医学部内科学教室と共同でこの治療アプリを開発。17年秋から18年末にかけて、首都圏などの禁煙外来に通う584人を対象にした臨床試験(治験)を実施。治験開始後24週目の継続禁煙率はアプリを使った人の場合の63.9%で、使わなかった人の50.5%を約13ポイント上回ったという。従来の禁煙外来は、通院時の医師の診察のみのケースが多く、院外や在宅などのいわゆる治療空白の期間に禁煙を断念しやすいといった課題を抱えていた。

 従業員を雇っている飲食店を全面禁煙とする東京都の受動喫煙防止条例の来年4月全面施行を控え、既に大手企業の間でも全面禁煙とするところが出始めている。キュア・アップの佐竹晃太社長は「より多くの患者にこのアプリが届けられるよう、薬事承認、保険適用に向け全力をあげていきたい」と語った。

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