経済インサイド

再生率は低い日本 ペットボトルのリサイクル率向上へ飲料メーカーがしのぎ (2/2ページ)

 サントリーのペットボトル飲料販売量は、国内と海外はほぼ半数ずつ。ペットボトル樹脂は平成29年実績で、計25万トンを利用した。現在はこの約1割を使用済みペットボトルからの再生樹脂でまかなっている。これを令和12年までに6~7割に高め、足りない部分を植物由来の原料でまかない、国内外で販売する飲料用ペットボトルについて、新たな化石由来原料の使用をゼロにする方針だ。米国のベンチャー企業に3000万ドルを支援し、植物由来樹脂の商業プラントの令和5(2023)年の立ち上げにもめどをつけた。

 一方、キリンビバレッジは「生茶デカフェ」で、6月中旬からペットボトルをリサイクル素材100%に切り替える。ただ、キリンホールディングスは全体で、令和9(2027)年までに国内で目標とするペットボトル樹脂のリサイクル使用量は、50%にとどまる。

 ただ、ペットボトルの再生技術はまだ開発途上にある。ある業界幹部は「ペットボトル樹脂を何度も再生していくうちに、透明だった樹脂が黄色く濁ってしまう可能性も指摘されている。リサイクルが進むほど、透明な水などの容器には利用しにくくなる恐れがある」という。

 環境負荷の低減のためには、ペットボトルの容器自体を軽量化することもカギとなってくる。キリンビバレッジは4月から「キリン アルカリイオンの水」の2リットルペットボトルの飲み口部分を改良し、容器の重さを0・6グラム削減して28・3グラムに減らした。国内最軽量を更新した。年間約107トンのペット樹脂削減につながるという。

 また、アサヒ飲料は、通信販売などを対象に、ペットボトルにロールラベルをつけない商品の販売を進めている。通常のペットボトル飲料のラベルには、商品名や原材料名などが記されているが、これらの情報について、ラベルのかわりにシールやキャップに記載する。これにより、通常のペットボトルに比べ、ラベルとして使用する樹脂量を9割削減できる。「十六茶」などで、通販や宅配を中心に対象を広げ、今年はこの取り組みで年間約5トンのプラスチック廃棄物削減につなげる。

 飲料各社がペットボトルにこだわるのは、「ここまで普及して飲料市場も拡大した以上、全てをカンやビンに戻すことは不可能だ」(メーカー幹部)との認識があるためだ。

 一方、政府は海洋プラスチックごみ削減に向けた行動計画で、ペットボトルの100%リサイクルに努めることを明記した。

 日本コカ・コーラは、令和12年(2030)年までに、販売量と同等の容器を回収することをグローバル目標に掲げ、海ごみ対策につなげる。日本財団とともに、プラごみが河川から海へ流出するメカニズムについての共同調査も実施。G20首脳会合にあわせて6月中にも中間報告をまとめる計画だ。

 また、ペットボトルの海ごみ問題は、東南アジアなど海外でより深刻とされている。このためサントリーは、これらの地域の自治体や業界と共同で容器を回収する仕組みの構築を進め、ペットボトルによる飲料販売を世界で継続できる環境づくりに取り組むとしている。(経済本部 吉村英輝、村田直哉)

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