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三菱航空機、スペースジェットで捲土重来 新機種の開発強化など戦略見直し (1/2ページ)

 国産初のジェット旅客機を手掛ける三菱航空機(愛知県豊山町)が、機体の名称変更や新機種の開発強化など事業戦略の見直しを打ち出した。受注低迷が続く中、初号機納入を来年半ばに控えて巻き返しを狙う。ただ、納入延期を繰り返してきただけに航空会社や国内部品メーカーには期待と不安が入り交じる。

 「変化を求める市場へのわれわれの答えだ」。三菱航空機の水谷久和社長は17日、パリ近郊で開催中の航空見本市「パリ国際航空ショー」で、集まった世界のメディアに訴えた。名称をMRJ(三菱リージョナルジェット)から「スペースジェット」に変更。新機種の開発も表明し、客室スペースや燃費性能の向上も強調した。現在約400機を受注しているが、ここ3年間はゼロの状態が続く。心機一転で事態打開を狙う意図が見える。

 もう一つの反転材料が親会社の三菱重工業が交渉を進めるカナダ航空機大手ボンバルディアの小型ジェット機事業の買収だ。買収で弱みとされる機体の保守・点検などのサポート体制を手に入れ、受注拡大に弾みをつけたい考えだ。

 ただ、度重なる開発の遅れで、当初2013年を目指した初号機納入は5度の延期に追い込まれた。今は20年半ばを見込む。開発費は8000億円規模に膨らんでいるとみられ、一時債務超過に陥り、三菱重工の支援を受けてしのいだ経緯もある。

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