加えて、興行収入が250億円を超えた「君の名は。」のヒットに後押しされ、大作の企画が進行。アニメの制作現場は慢性的に人手不足だったが、いよいよ能力の限界を迎えるのではないかという「19年クライシス」が懸念されてきた。
東映アニメーションの清水慎治常務も「絶対的にアニメーターが少ない」と話す。対策として強調するのが、作業のデジタル化による効率化。技術の進展は目覚ましく「背景なんかはほとんどデジタルでやっている」状況だという。
業界に混乱が起きることはあり得るのか。増田さんは「テレビアニメのエンディングに静止画を多用するなど、クライシスを乗り越えるため苦肉の策とも呼べる工夫をしている」と指摘。
さらに、制作本数を抑える意識が働いてもいるとして、否定的な見解を示した。
劇場アニメの大作が続くことで新たなヒット作が生まれることへの期待もある。清水常務は「ヒット作を作るのが(人手不足の)一番の解決策。すごく面白いアニメを作れば人は集まる。だから僕は悲観していない」と語った。