技能習得が名目の実習生だが「出稼ぎ」の意識も強く、森下水産の王穎さん(32)は「日本でお金をため、母国にいる小学生の娘の学費にしたい」と率直だ。
人手不足が深刻化する中、外国人材の確保に向け、岩手県遠野市や釜石市の水産加工業や建設業など6企業が協同組合を立ち上げた。
監理団体として実習生を受け入れて会員企業に派遣するほか、ネパールやインドネシアに合弁会社を設立し、現地で日本語などの研修を行う構想だ。特定技能で入国した外国人を支援する登録支援機関にもなっている。
組合の多田一彦理事長は、十分な研修を受けないまま日本に来て、戸惑う外国人が多いことを懸念する。「受け入れ態勢を整え、外国人に選ばれる環境づくりが必要。労働力としてではなく、お互いの地域づくりに役立てるという感覚が大事だ」と話した。