中小企業基盤整備機構(中小機構)は1日、「事業承継・再生支援部」を新設した。販路開拓などの経営支援、資金供給など、事業承継に当たって必要とされる機能を一元化。多様化する事業承継支援へのニーズに対してより効果的な対応が取れるようにするのが狙いだ。
中小機構本部には、販路開拓を支援する販路支援部、さまざまな経営課題に手取り足取りで解決に当たる経営支援部、承継に当たって資金面で支援するファンド事業部などの部署がある。ただ事業承継の支援ではこうした個別の手法のみでは対応が難しく、複数の手法を組み合わせた対応が必要となるケースが増えている。
また各都道府県に設置されている「事業引継ぎ支援センター」や民間のM&A(企業の合併・買収)仲介会社、地域金融機関、投資会社などとも連携を強化。
事業を引き継いでほしい会社(譲渡案件)と、事業を引き継ぎたい会社(譲受案件)との都道府県の枠を超えた出会いができるようなプラットフォーム(基盤)づくりも進め、事業承継・再生支援部が、事業承継問題の解決につながるハブ(拠点)機能を担えるようにしていく。
豊永厚志理事長はフジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、「それぞれの業務を1つの組織の中に集約して各部相互の連携を密にすることにより、少しでも多くの中小企業が生き残れるようにしたい」と語った。
東京商工リサーチによると、2018年に全国で休廃業や解散した企業は前年比14.2%増の4万6724件に達したが、このうち代表者が60代以上だった企業が全体の83.7%を占め、高齢化による事業承継が難しい状況が浮き彫りになっている。
中小製造業の中には特殊な技術や技能を持つところが少なくなく、後継者不在による倒産の増加が、日本の技術力の低下をもたらすとの懸念も出ている。