埼玉発 輝く

新札効果 渋沢栄一のうどん好調 新吉 (2/2ページ)

 シルクパウダー使用

 そして今年、渋沢栄一が一万円札の肖像に決まる。同社は6月、表と裏がピンクと白になった「紅白うどん」をはじめ、大阪紡績(現在の東洋紡)創立など紡績業振興に尽力した渋沢の功績にちなんでシルクパウダーを混ぜた「シルクうどん」や、同市が全国1位の作付面積を誇るブロッコリーを練り込んだ「ブロッコリーうどん」の3種類の新商品を売り出した。

 パッケージには渋沢の顔と「祝新1万円札」の文字。発売から1週間で500件以上の注文が入った。「深谷の人はみな渋沢栄一を心から尊敬している。この商品によって誇りが強まれば」と小内社長。お中元シーズンを迎えて、さらなる人気の拡大に期待を寄せている。

 今後はどう出るか。「有利なのは(新紙幣の発行が)5年先ということ。テレビで紹介されてもブームはすぐ去ることがよくある。長くじわじわとブームが続くように仕掛けていきたい」と、小内社長は世間の流れを冷静に見つめる。

 社長自身、渋沢の功績を記した冊子を執筆するなど、顕彰活動に尽力し、同社のトラックには渋沢の肖像を描き入れるほどの力の入れようだ。渋沢にちなんだ新商品を前に、渋沢への敬意と経営者としての意欲が、熱い口調ににじんだ。(内田優作)

【会社概要】新吉

 ▽本社=埼玉県深谷市高畑173(048・571・0520)

 ▽創業=1918年6月

 ▽資本金=2000万円

 ▽従業員=約120人

 ▽事業内容=ゆで麺、生麺等、麺類の製造販売

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