テクノロジー

日本の小惑星探査 独自技術で世界をリード 高い技術水準示す

 はやぶさ2が探査の最大の山場である地下の物質採取の任務を乗り切った。初代はやぶさが平成22年に初めて物質を地球に持ち帰り、小惑星探査で世界のトップを走る日本が、独自の技術で水準をさらに向上させた。

 天体の地下にある物質の採取は米アポロ宇宙船の飛行士が月で行ったが、小惑星などの小さな天体ではまだ成功例はない。はやぶさ2が持ち帰れば、世界初となる。

 はやぶさ2は今年4月、地下の物質を地表に露出させるためのクレーターづくりに挑戦。爆薬を使う独自の方式で地表に弾丸を撃ち込み、見事なクレーターを作り出した。安全確保のため機体を一時退避させるなど、高度な制御技術を必要とするものだった。

 今回の着地は慎重論もあった。失敗して帰還できなくなると、2月の着地で採取したとみられる地表の物質すら失うためだ。チームは着地点の選定や手順の検証を重ねた結果、「合理的な判断の下、挑戦と安全の両方を兼ね備えている」(JAXA幹部)として実施に踏み切った。

 小惑星リュウグウは当初の予想に反して平地がほとんどなく、岩だらけの危険な場所だった。このため2月の着地では事前に降下訓練を入念に行い、着地の精度を機体の設計値以上に高めて難所を攻略した。こうした綿密な準備と検証が今回の成功につながった形だ。

 米国も別の小惑星を探査中だが、採取するのは地表の物質だけ。着地は1年後で、日本との差はさらに広がった。JAXAは2世代のはやぶさの経験を生かし、5年後には火星の衛星探査機を打ち上げ、物質の回収に挑む。日本のお家芸に世界の注目が続く。(草下健夫)

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