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7時間で100万円も…大手企業、ネット資金調達のわけ (2/3ページ)

 6千件のデータ活用、IT企業が一役

 詳細な市場調査、データ分析でのCF活用-。その活動を支えるのはCFを運営するIT企業だ。白鶴が活用したCFを運営する「マクアケ」(東京都渋谷区)は、企業に出資者の性別や年齢、居住地、職業などの基礎データを提供。市場調査に活用してもらう。

 マクアケはこれまでも多くの大手メーカーの資金調達を扱ってきた。ライオン(東京都墨田区)は美容機器事業への進出にあたり、開発中の美顔器に300万円の出資を募ったところ、4カ月足らずで1100万円以上を調達。年内発売を目指す。ミツカンホールディングス(愛知県半田市)はトウモロコシなどの皮や芯を活用した食品に、2カ月程度で目標の6倍超となる300万円超を集めた。

 両社とも新分野への挑戦だったが、担当者は「新製品を出す際には有用な仕組み」などと評価する。

 マクアケは、データの提供だけでなく、累計6千件のデータを活用して商品開発にも協力する。これまで大手メーカーと30以上のプロジェクトに取り組んできた。担当者は「新規事業に踏み出す際は社内の反対も予想されるが、『数百万円の出資が集まった』という実績は経営判断にも生かしてもらえる」と話す。

 金融機能を補完

 企業の資金調達の主役だった金融機関の役割を“肩代わり”する存在にもなりつつある。

 「金融機関との協業を強化している」と話すのはCFを運営する「READYFOR」(東京都文京区)。同社は、地銀など約70の金融機関と提携。金融機関から企業の紹介を受け、資金集めを支援する。北都銀行(秋田市)との提携では、満額融資を受けられなかった企業にCFを紹介し、資金調達を穴埋めした例もあるという。

 CFと積極的に連携する銀行もある。南都銀行(奈良市)は、CF運営会社3社と提携。これまで50件以上の企業を仲介した。「資金調達と製品PRの一石二鳥になり、取引先からも好評」と話す。

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