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空中映像用の光学素子を量産へ 製造費用10分の1めど パリティ

 光学素子開発のパリティ・イノベーションズ(京都府精華町)は、「空中映像」を可能にするプレート状の光学素子「パリティミラー」の量産化に着手する。複雑な素子を安定生産できる金型と成型方法が完成したことで、製造費用を従来の10分の1程度にできるという。2025年の大阪・関西万博の開催を視野に「空中映像」へのニーズが見込める広告やエンターテインメント分野などへの働き掛けを強化する。

 前川聡代表取締役は、国立研究開発法人・情報通信研究機構の研究員時代に、樹脂の表面に約0.1ミリ角のブロック状の鏡を数十万個並列し、これらの鏡が反射した対象物の画像を1点に結像することで「空中映像」を可能にするパリティミラーの開発に成功。同機構のスピンアウトベンチャーとして10年にパリティ・イノベーションズを設立した。

 利用者はパリティミラーの下に物を置くだけで空中に実物のように映像を投影することができる。3Dグラスなど特殊な眼鏡を着けなくてもはっきりとした立体映像を楽しむことが可能で、エンターテインメント、自動車、家電をはじめ幅広い分野での活用を見込んでいる。

 量産化技術の確立によって従来の半額以下の1枚(15センチ角)当たり2万円程度で生産することを可能にしており、20年度から本格的な販売を開始。21年冬には1枚3000円程度での生産を目指すという。

 同社は、パリティミラーと非接触センサーを組み合わせることで、空中映像の操作を可能にするデバイスも開発している。今後、研究所を置く中小企業基盤整備機構のインキュベーション施設「クリエイション・コア東大阪」を拠点に、デバイスの用途を考案する協業先の発掘に力を入れるという。

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