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JDI、経営再建へ有機ELの早期量産化急務

 ジャパンディスプレイ(JDI)の経営再建には、今後世界的な需要拡大が見込まれる有機ELパネルを量産化できるかが鍵を握る。有機ELは液晶よりも薄型化しやすい優位性があり、外部の出資を受けて量産化を目指す戦略を描く。ただ「JDIの量産化に残された時間は少ない」(業界関係者)のが実情で、出資で得られる資金で局面打開につなげられるかどうかが焦点だ。

 業界では米アップルがスマートフォンの製造で従来の液晶パネルに見切りを付けて、来年秋には多くのスマホの画面を有機ELに切り替えるとの噂が飛び交う。JDIは有機ELを早期に量産化を実現して、収益の上がる事業に育て上げたい意向だ。月崎義幸社長は「(出資する中国のファンド側から)他社にない独自技術で期待値が大きい」と説明。中国ファンド側の交渉代表も「短期間で、世界市場での有機ELの主導的な地位を確保できる」との声明を出した。

 量産化によりスマホ向けの有機ELで圧倒的なリードを続ける韓国のサムスン電子を追い上げる方針だが、豊富な資金力で開発投資を続ける中国企業も参戦し、競争環境は激しさを増している。中堅証券のアナリストは「アップルが中韓企業の技術覇権を嫌がってJDIを採用するなど一発逆転がないと厳しい」と見通している。

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