中小企業へのエール

プラスチックごみ問題 一人一人がまずできることから

 今年6月、長野県軽井沢町にてG20(20カ国・地域)として初めて、エネルギー大臣と環境大臣が一堂に会する会合が開催され、経済産業省出身、現在は環境省特別顧問という立場で参加した。さまざまな議題が議論されていく中で、特に注目されたのは「プラスチックごみ」の問題だった。(旭川大学客員教授・増山壽一)

 昨年から、プラスチックごみの問題が国際的に取り上げられ、問題解決に向けて具体的なアクションが議論されている。ウミガメの鼻に、捨てられたプラスチックストローが無残にも突き刺さっている写真をごらんになった方も多いと思う。このウミガメの事例を契機に、「海に流れ出たプラスチックごみをどうするか」から議論がスタートした。そして「プラスチック製品をできるだけ使わない」「むやみに捨てない」「リサイクルする」という動きへとつながっていった。

 また、途上国へプラスチックごみを資源として輸出することを禁じる動きも具体化している。海に流れ出たプラスチックが長い年月を経て小さなマイクロプラスチックとなり、その後、生き物の体内に蓄積して、結果として人間の健康をもむしばむことも懸念されており、これを解決するために、最終的には海水に溶けてなくなる「バイオプラスチック」の研究開発が今、急速に進められている。

 プラスチック製品をできるだけ使わない方策の一環として、スーパーなどにおけるレジ袋有料化の議論がある。ただ、現在の生活においてプラスチックは、なくてはならない存在だ。パソコン機器など電化製品の部品やペンをはじめ、包装資材、ペットボトルや食品トレーなど、丈夫で軽く、中身がよく見えて、しかも衛生的。完璧に近い優位性から、至る所に使われている。これを即時に製造禁止にし、罰金的な有料化などへ誘導していくことは極めて困難だ。

 では、私たちはこの問題にどう取り組むべきなのか。まず、必要のないプラスチック製品は、使わない、受け取らないことだ。現在、スーパーなどで「ただ」同然でもらうレジ袋だが、まず必要以上に受け取らない。そして、プラスチックごみをしっかり分別して、有効に再利用するように努力する。最後に多少高くてもバイオプラスチック製品や木材製品を購入して長く大切に使うことだ。一人一人の行動が、この世界的な課題を解決することにつながる。

【プロフィル】増山壽一

 ますやま・としかず 東大法卒。1985年通産省(現・経産省)入省。産業政策、エネルギー政策、通商政策、地域政策などのポストを経て、2012年北海道経産局長。14年中小企業基盤整備機構筆頭理事。旭川大学客員教授。京都先端科学大客員教授。日本経済を強くしなやかにする会代表。環境省特別参与。著書「AI(愛)ある自頭を持つ!」(産経新聞出版)。56歳。

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