経済インサイド

アサヒグループHD、電光石火の豪ビール事業1兆円超買収劇 (2/2ページ)

 豪州のビール市場は、高価格帯の「プレミアム」、中価格帯の「メインストリーム」、低価格帯の「ディスカウント」と3価格帯に分けられる。インベブが手放す「カールトン&ユナイテッドブリュワリーズ」(CUB)の18年売上高(約1734億円)構成比は中価格帯が5割超、高価格帯は4割弱を占める。豪州ビール市場シェア(数量ベース、18年)でみれば、CUBは中価格帯市場の72%、高価格帯市場の36%、低価格帯市場の3分の1を握り、トップ企業として君臨する。

 一方、アサヒグループHDは豪州で09年に飲料事業を買収した後、酒類や飲料メーカーをコツコツと買収。豪ビクトリア州の工場で「ペローニ・ナストロ・アズーロ」(イタリア)を18年12月から、「アサヒ スーパードライ」を19年2月から、それぞれ現地生産に切り替えている。

 両ブランドとも高価格帯ビールに位置づけられるが、アサヒの市場シェアは数量ベースで3%に過ぎない。立ちはだかるのはCUBとキリンHD子会社のライオンで、豪州ビール事業の成長にとって名実ともに上位企業を飲み込むことが、“最短距離”に映ったのも無理はない。

 豪州のビール市場は数量ベースでは横ばいだが、金額ベースで見ると高価格帯市場の伸長で市場規模は拡大中だ。小路氏は「これで日・欧・豪の3極体制の事業基盤が整った」と自信を見せる。

 アサヒグループHDの18年12月期の海外売上高比率はおよそ3割、本業のもうけを示す事業利益の海外比率は約4割まで上昇している。19年の国内ビール事業は前年割れが確実とみられる中、アサヒグループHDは日本におけるブランド力を失わずに、海外で利益を稼ぐ戦略を続ける。(日野稚子、佐久間修志)

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