経済インサイド

ヤフーVSアスクル、対立の背景はソフトバンクGの親子上場 (2/2ページ)

 岩田氏は、プラスの通販事業をアスクルとして独立させた9年から社長を務めてきた。売上減少の懸念から猛反発した地方の小売店や卸業者らを説得し、商品調達や物流網など、サプライチェーンを担うエージェントとしてまとめあげたことでカリスマ社長として支持を得た。

 ヤフーは株主総会前の7月24日、インターネットで岩田氏の再任に反対する議決権を行使した。

 これに対し、アスクルは、親子上場に対する問題を提起した。ヤフーとアスクルはともに上場企業で、ヤフーはアスクルの半分近い株を持つ株主、つまり親子上場となる。支配的立場の株主は少数株主の保護をすべきでは、というのだ。7月17日から8月5日まで計21本のプレスリリースを発出したが、形勢逆転には至らなかった。

 退陣した岩田氏に代わり、新しく社長に就任した吉岡晃氏は「どういう提携の仕方が最良なのか協議する必要がある」とヤフーとの対話姿勢を示した。

 ただ、ロハコの成長にはヤフーの持つ広告、誘客のノウハウ、ビッグデータの分析技術が欠かせない。

 8月2日に開かれた株主総会における、ヤフーとプラスの議決権を除いた少数株主の議決権の賛成割合をみると、ヤフーから派遣された常勤の輿水宏哲執行役員は88.70%と高い支持を得た。株主がヤフーとの協力関係の継続を望んでいる証左といえる。

 今後は、アスクルとヤフーの親子関係やSBG全体での位置付けの中で、どのように独立的な経営体制を整えられるかだ。

 株主総会が開かれた2日夕、SBGは「孫(会長兼社長)個人は投資先との同志的な結合を何よりも重視するため、今回のような手段を講じる事について反対の意見を持っております」とするコメントをひっそりと出した。ホームページには公表するのではなく、問い合わせをした記者に個別に回答する形をとった。

 親子上場を重ねる孫氏のSBG体制への批判をかわす狙いがあるとみられる。一方でヤフーの親会社、ソフトバンクの宮内謙社長は決算会見で「半年経てば、ヤフーが正しかったと分かりますよ」と意味深な発言を残した。(高木克聡)

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