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日遊協、業界データブックを制作

 業界唯一の横断的組織である日本遊技関連事業協会(日遊協、会長・庄司孝輝氏)はこのほど、日遊協30周年記念事業の一環として関係団体・企業などの協力の下、遊技業界のさまざまな統計情報を集めたデータブックを制作。9月から日遊協のホームページで公開している。

 A4サイズ52ページ、電子書籍スタイル(PDF形式)で、ホームページからダウンロードすれば誰でも入手できる。

 これまで、遊技業界のデータは行政や団体個々で集計されていたが、包括的にまとめられたものは少なく、全体像は見えにくかった。日遊協では、業界の姿を内外に正しく伝えていくためにも蓄積されたデータや知識を体系的にまとめ上げる必要があると判断。今回のデータブック編纂(へんさん)に至った。

 データブックは「解説編」と「データ編」の2部構成となっており、単なる数値の羅列に終わらず、複数の専門家による解説文を加えたことで、業界の1年間が立体的に理解できるよう工夫されている。

 解説編は、2018年の業界動向について、「全般」「社会的視点」「経済的視点」「人的資源の視点」という4つの視点から分析。解説の執筆は、パチンコ・パチスロ産業依存対策有識者会議の委員などを務める坂元章お茶の水女子大学教授をはじめ、帝国データバンク、東海東京調査センター、ビズリーチ、パック・エックスといった、それぞれの分野の専門家が手掛けた。

 データ編では、警察庁「風俗環境の現状と風俗関係事犯の取締り状況等について」をはじめ、日本生産性本部の「レジャー白書」など、国の機関からシンクタンク、業界団体の統計資料を網羅しつつ、多くのデータに関して独自分析による解説を付加。例えば営業所数の推移グラフの解説では、1982年から件数が急増し、その後92年を境に減少に転じる背景について、パチンコのフィーバーブーム、回胴式遊技機の変遷、CR機の普及、遊技機規則改正などの射幸性抑制、店舗の大型化などを絡める形で説明している。

 庄司会長は発刊に寄せたあいさつで、一般に向けては「これまで外からはあまりよく見えなかったこの業界についての、興味深くわかりやすい案内ツールになれば幸い」とし、業界関係者に対しては「いろいろな場面でデータが活躍しやすいように心掛けた。業界の全体像を改めて把握することに役立ててほしい」などと述べている。

 日遊協は今後も、データブックを年1回のペースで発行していく予定だ。

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