ただ、29年には愛媛銀行で数億円規模のマネロンと疑われる海外送金を見逃したとされる事案が発生。超低金利下で経営難の地銀が増える中、「対策を熟知した人材がおらず、システム面でも不安が残る」(関係者)のが実態だ。
今回のFATF審査に対しても「できる対策とできない対策を分け、いつまでに対応するか説明できれば一定の評価は得られる。100点満点を取ろうとしない」(同)対応で臨む地銀が大半とみられる。
とはいえ、1社でも不十分の烙(らく)印(いん)を押され、国内金融機関の評価が再び下がれば、邦銀の国際取引が制約を受け、海外決済や送金などに影響する恐れがある。
今回のFATFの審査では各業態の数社が対象となる見通し。審査期間は約3週間で、来年夏にも審査報告書が公表される。