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曙ブレーキ、債権者会議で再生計画が承認 岡山の工場閉鎖、福島縮小

 経営再建中の自動車部品大手の曙ブレーキ工業は18日、生産子会社の曙ブレーキ山陽製造(岡山県総社市)を閉鎖し、曙ブレーキ福島製造(福島県桑折町)を縮小すると発表した。主力の米国市場を中心に業績が落ち込んでおり、欧米を含む国内外で最大計6工場を閉じる可能性がある。グループ全体の3割に相当する3000人規模が削減対象になる見通しだ。

 山陽製造と福島製造はブレーキ部品などを生産し、従業員はそれぞれ約500人と約300人。従業員の処遇は今後検討する。福島の事業の一部は他の国内拠点に移す。2022年3月までをめどに実施する。

 海外では米国の4工場を1工場に集約。フランスとスロバキアの工場は他社への売却などを検討し、実現できなければ既存製品の契約終了を区切りに閉鎖する。

 財務体質強化のため、企業再生ファンド「ジャパン・インダストリアル・ソリューションズ」(東京)を引受先として優先株を発行し200億円を調達。取引先銀行は総額560億円の債権放棄を受け入れる。18日に東京都内で取引先銀行などを集めた債権者会議を開き、再生計画が承認された。27日の臨時株主総会で最終決定する。

 曙ブレーキは、主要顧客だった米自動車メーカーの新規受注を逃したことで経営が悪化。今年1月に私的整理の一種である「事業再生ADR」の申請に追い込まれた。

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