高論卓説

世界で広まる燃費規制 次世代車の姿、国内大手に決断迫る (3/3ページ)

 トヨタの誇る2モーターのトヨタハイブリッドシステム、アイシン製の1モーターハイブリッドとe-AxleをブルーイーネクサスはIAAで大きく展示した。その裏側ではB2Bの交渉は盛り上がったようだ。トヨタハイブリッドシステムは中国のみならず、欧州にも発展できる可能性があるだろう。

 ハイブリッドで先行し、欧州市場への依存度が相対的に低い日本メーカーは欧州勢ほどにはお尻に火がついているわけではないが、安穏とできるわけではない。国土交通省が求める30年の燃費規制は16年比較で32%減の25.4キロが示された。

 全モデルをストロングハイブリッドにするか、さもなければ、総販売台数の20~30%をe-Mobilityに転換する覚悟が必要だ。中国は25年、インドは23年にも、インドネシアも近くに厳しい燃費規制が実行される。日本、アジア市場に適した国内自動車メーカーが目指す次世代のe-Mobilityとは何か、今の欧州の苦悩を目前にして、答えを見いだすことに多くの時間は残されていない。

【プロフィル】中西孝樹

 なかにし・たかき ナカニシ自動車産業リサーチ代表兼アナリスト。米オレゴン大卒。山一証券、JPモルガン証券などを経て、2013年にナカニシ自動車産業リサーチを設立。著書に「CASE革命」など。

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