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個性派ポン酢で地域復興に一役 老舗しょうゆ「旭合名会社」

 西日本豪雨被災から再起

 創業130年を超えるしょうゆ製造・販売「旭合名会社」(愛媛県宇和島市)が、老舗らしからぬ斬新な商品を次々と開発している。販売が軌道に乗り始めた昨年7月、西日本豪雨で被災。逆境に立たされながらも店の再開にこぎ着けた。「地域の復興につながれば」と再起を図る。

 店ののれんをくぐると、しょうゆの香ばしさがふわりと広がる。木製の壁やタイル張りの流し台など、店内の一部は1882年の創業時のまま残され、国の登録有形文化財となっている。

 4代目の中川美保さん(45)は夫の賢治さん(45)との結婚を機に、2007年に家業を継いだ。地元で一升瓶のしょうゆを中心に販売してきたが、人口減少や日本人の食生活の変化に伴い、売り上げは減少。地元にもう1軒あったしょうゆ店も後継者が見つからず、廃業した。

 危機を救ったのは、賢治さんのアイデアだった。実家がミカン農家の賢治さんは、これまでにない「ポン酢」の開発に着手。甘みが強く洋食に合う「ブラッドオレンジポン酢」や、葉野菜がしなびず、ご飯の友にももってこいの、ふりかけタイプのポン酢などを相次いで販売した。

 美保さんは「しょうゆ店で育っていない夫だからこそ、固定観念にとらわれず商品開発ができる」と話す。15年の「全国ふりかけグランプリ」で「ふりかけポン酢」が「ソフトふりかけ部門」の銅賞に輝くと、メディアに取り上げられ、物産展やネット通販で販路を拡大した。

 販売が軌道に乗り始めた昨年7月、西日本豪雨に見舞われた。店や工場に川の水が流れ込み、商品や機材の多くが浸水。途方に暮れていたとき、地元の人が「待ってるよ」と声を掛けてくれた。被災企業向けの県の補助金やクラウドファンディングで資金を調達。今年7月、本格的に店を再開した。

 再開後、県外から直接店を訪れる観光客も増えた。美保さんは「地元の魅力を伝え、守るものは守りつつ、新しいものを作りたい」と語った。

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