金融

かんぽ、販売再開を延期 方針一転、10月予定断念

 日本郵政グループが自粛しているかんぽ生命保険の保険商品の販売について、10月1日に予定していた再開を断念する方針であることが25日、分かった。不利益を被った疑いのある契約者への実態調査や再発防止のための体制強化が道半ばであることから、監督官庁の総務省や金融庁などで再開を疑問視する声が強まり、方針を一転させた。

 かんぽ商品の再開時期は来年1月が候補に挙がっているという。一方、提携先の民間金融機関の保険販売は11月以降に順次再開する方向で調整している。

 かんぽ生命と日本郵便が25日に開いた取締役会で協議。親会社である日本郵政の取締役会を経て正式に判断する。日本郵政グループは30日に会見し、不利益の恐れがある約18万3千件の契約についての調査の進捗や販売再開の延期などを説明する。

 郵政グループは8月末に7月中旬から自粛しているかんぽ商品の販売を10月から段階的に再開する方針を表明。だが、調査や対策などが十分に進まないままでの再開を決めたことに対し、販売優先の企業姿勢という批判が社内外で強かった。再開を強行すれば、顧客や社員らに不信感を与えると判断した。

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