ドイツのフォルクスワーゲン(VW)を代表する名車で、7月に生産を終了した小型車「ビートル」の国内で販売される最後の車が25日、メキシコの工場から愛知県豊橋市のVW専用埠頭に陸揚げされた。1953年に初代が正規輸入されて以降、66年間の国内販売台数は約22万台に達する。丸みを帯びた愛らしい外観が人気を集めた。
29日間の船旅を終えて陸揚げされたのは、現行モデル「ザ・ビートル」の計63台。午前11時半ごろ、赤や白など色とりどりのビートルが姿を見せると、集まったVWグループジャパンの従業員から拍手が起きた。
ティル・シェア社長は「ビートルを愛し、文化を育ててくれたお客さまに感謝したい」とあいさつした。点検などを済ませた後で全国の販売店に届けられ、今年中には販売を終える見込みだ。
ビートルは「カブトムシ」を意味し、1938年に初代が誕生。車の基本部分を複数車種で共有するVWの戦略の対象から外れたほか、電気自動車(EV)のモデル数を増やす計画もあり、約80年の歴史に幕を下ろした。