経営再建中の自動車部品大手の曙ブレーキ工業は27日、東京都内で臨時株主総会を開き、200億円の資本増強を柱とした再生計画を可決した。経営トップを約30年務めた信元久隆会長兼社長ら取締役3人の退任も決まり、新体制で事業の立て直しに取り組む。
200億円は、企業再生ファンド「ジャパン・インダストリアル・ソリューションズ」(東京)を引受先とした優先株の発行で調達。曙ブレーキは岡山県内の生産拠点を含め、日米欧で最大計6工場の閉鎖を計画しており、その費用や設備投資に充てる。
信元氏らは今月末に退任し、日本電産で常務執行役員を務めた宮地康弘氏が社長に就任する。取引先の銀行などが総額560億円の債権放棄を実施し、曙ブレーキは2019年9月中間連結決算で特別利益を計上する。