この目標を達成するには30基程度の原発稼働が必要とされる。ただ、9基にとどまっている現状では、平成30年度の原発比率は10%に満たない水準とみられている。
さらに原子力規制委員会は4月、原発のテロ対策施設の設置が期限に間に合わなかった場合、運転を停止させる方針を決定。関電では廃炉される4基を除く全7基が最大1~2年半停止する可能性があるほか、すでに再稼働させている九州電力や四国電力の原発も停止を余儀なくされる見込みで、原発の「停止ドミノ」が起こる可能性がある。
震災後の原発停止では、電力各社の業績悪化で電気料金の上昇を招き、国内産業が打撃を受けた。楽天証券の窪田真之チーフ・ストラテジストは「今回の事案を受けて関西電力の再稼働は遠くなる可能性があり、業績や財務基盤への悪影響が懸念される。原発は低コストの発電とされてきたが、世界的に安全基準が強化される中、対策費が増え、リスクも高まっている」と指摘する。
岩根社長は今年6月から大手電力でつくる電気事業連合会の会長に就任。八木会長も平成23~28年に会長を務めた。