地方や郊外の百貨店閉店が相次いでいる。30日に閉店する伊勢丹府中店(東京都府中市)▽伊勢丹相模原店(相模原市)▽山交(やまこう)百貨店(甲府市)-など今年は全国で10店舗超が閉店する予定だ。閉店数が2桁となるのはリーマン・ショックで景気が減速した平成22年以来、9年ぶり。都市部に比べて景気低迷や人口減少のあおりを強く受けるほか訪日外国人による需要増も見込みにくいためで、各地で中心街の顔が姿を消そうとしている。
平成8年から23年間の歴史に幕を閉じる伊勢丹府中店。25日から始まった閉店セールには名残を惜しむ得意客が列をなした。正面入り口に置かれたケヤキのモニュメントには、葉っぱ形のメッセージカードがつるされ、「子供と同い年の伊勢丹。今までありがとう」などと書き込まれていた。担当者は「多くの方に愛されていたことを実感します」と話す。
売上高は開店初年度の約260億円をピークに徐々に減少。最近は本業のもうけを示す営業損益が赤字に陥っていた。28年に食品エリアを改装するなどてこ入れを図ったが、赤字解消には至らなかった。