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関電3役員、業者から金品を直接受領 元助役への情報提供は常態化

 関西電力の役員らが福井県高浜町の元助役、森山栄治氏(故人)から多額の金品を受領した問題で、役員3人が森山氏と関係の深い工事業者から金品を直接受け取っていたことが明らかになった。一方、関電が森山氏に原発関連の工事関係資料をそろえて提供するなど、特別な対応をとっていたことが、関電が公表した調査報告書で判明した。原発関連工事をめぐり、不適切な便宜供与と金品授受が繰り返されていた。

 関電によると、大塚茂樹常務執行役員は高浜町の建設会社「吉田開発」から現金100万円と商品券40万円を受領。豊松秀己元副社長は別の工事業者からスーツ生地と仕立券を4着分(200万円相当)、鈴木聡常務執行役員も1着分(50万円相当)を受け取った。豊松氏はすでに仕立券を使用し、未返却という。

 こうした金品授受と並行して、森山氏側への情報提供が盛んに行われていた。

 調査報告書によると、関電は森山氏から面談の要請があれば、総務部長らが関係部署から情報をとりまとめ、工事発注の方針や概算額などをできるだけ早い時期に書面で手渡すなどしていた。

 吉田開発の関係者が森山氏に同行することもあり、情報提供の場面では関係者が席を外し、その後の懇談に同席することが常態化していた。関電と吉田開発の双方が情報の秘密性を意識していたとみられる。

 調査報告書は、森山氏が関電との面談時にかなりの頻度で金品を持参したと指摘。吉田開発が金品を用意したと思われるケースでも関電側は受け取っていた。

 関電は発注に問題がなかったと主張するが、森山氏側との“癒着”は工事受発注の公平性を損なううえ、関電が契約交渉で不利になる恐れもあった。競争入札の場合は談合を誘発しかねない。このため報告書は、法令順守の観点から「不適切な面があると言わざるを得ない」と結論付けた。

 甲南大法科大学院の園田寿教授(刑法)は、「業者から違法な依頼を受けて不当な便宜を図っていれば、特別背任罪や会社法の取締役贈収賄罪に当たる可能性がある」と指摘する。

 同志社大の百合野正博教授(監査論)も「発注先の業者からの金品受領は一般企業でも厳しく禁止されており、公益性の高い企業としてはなおさら許されない」とし、「ここまで倫理観が欠如すれば、社外取締役や監査法人がチェックすることは難しい。社内の内規で公務員並みに厳しい罰則を設けるべきだ」と話す。

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