ぐるなびのチョットぐな話

ムスリムの人に配慮、和食の老舗店が「ハラル認証弁当」を販売

 訪日外国人が年々増加する中、飲食業界でもインバウンド対応が活発化している。特に人気の観光地では、英語表記メニューはもとより、中国語、韓国語など多言語のメニューを用意する店も増えている印象だ。日本政府観光局の統計によると、2018年の国・地域別訪日外国人の約7割を中国、韓国、台湾、香港といった東アジアが占める。彼らの訪日の目的の一つは、やはり「和食を食べること」だろう。13年の「和食;日本人の伝統的な食文化」のユネスコ無形文化遺産登録、20年のオリンピック・パラリンピック開催も追い風となり、世界における和食への関心は高まる一方だ。当然、和食店側のインバウンド対応に対するニーズも高まっている。

 そんな中、「ハラル認証」を受けた弁当が、東京都世田谷区で明治4年創業の老舗「泉竹(イヅチク)」から登場した。ハラルとは、アラビア語で、世界三大宗教の一つであるイスラム教で「許されたもの」という意味。豚肉や酒といった禁じられた原材料を使わないだけではなく、その製造、流通、調理の設備など、口にする瞬間までハラルであることが求められる。

 同店では今回、鶏肉メインの「唐揚げ弁当」、牛肉メインの「すき焼き弁当」、野菜を中心に大豆ミートを使った「野菜弁当(ベジタブル弁当)」の3種を開発。和食の調理に欠かせない酒やみりんが使えないため、基本の味付けは昆布だしを駆使。しょうゆ、砂糖、塩もハラル認証を受けたものを使用している。同店料理長の池田修さんによると「使える原材料の制約が多い中、日本食らしさを出すのが難しかった」とのこと。「特に苦労したのは『すき焼き弁当』で、牛肉をあえてブロック状にすることで、柔らかさと味をしっかり入れるという課題がクリアできた」と明かす。

 実際に試食したところ、同じ昆布だしでも料理によってだしの濃淡を調整し、しょうゆベース、塩ベースでバリエーションを出すなど工夫がされており、日本人が口にしてもおいしい弁当として違和感なく食べられた。

 冷たいごはんを食べる文化のないムスリムの人に配慮し、弁当はいずれも電子レンジ可能なランチボックス入り。上段におかず、下段にはそれぞれ異なるおこわを詰めた2段構成。日本におけるムスリムの信頼が厚い「日本イスラーム文化センター」の認証マークを付けて、インターネットで販売中だ。老舗が挑戦することにより、後続店が増えることが期待される。

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