関西電力の役員ら20人が福井県高浜町の元助役、森山栄治氏(故人)から多額の金品を受け取っていた問題をめぐり、関電の3回目となる会見が9日午後3時から始まった。八木誠会長(69)が問題の責任をとり、同日付で会長職を辞任したことを公表。岩根茂樹社長(66)は当面留任し、弁護士4人で新設する第三者委員会の報告後に辞任するとした。
八木氏と岩根氏ら4人は午後3時ごろ、約200人の報道陣が詰め掛けた会見場に登壇。八木氏は冒頭で「お客さまや社会のみなさまのお気持ちを裏切り、多大なご迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げます」と謝罪し、同日午前に始まった臨時取締役会で、辞任が承認されたことを明らかにした。
岩根氏についても「本件に関わる問題を徹底的にあぶり出すため、事態を把握している岩根(社長)が第三者委員会に真摯(しんし)に対応していくべき」と述べ、年内に報告をまとめる第三者委員会の調査結果の報告日の日付で辞任することを明らかにした。
また、金品を受け取っていた森中郁雄副社長、右城望常務執行役員、鈴木聡常務執行役員、大塚茂樹常務執行役員の4氏の退任も発表した。
今回の問題を受け、八木氏が兼任する関西経済連合会の副会長職と、岩根社長が兼務する電気事業連合会の会長職についてもそれぞれ辞意を表明した。
関電は今月2日、八木氏や岩根氏ら20人が平成23年~30年に森山氏から約3億2千万円の金品を受領していたことを公表。30年7月~9月に社内調査を終え、役員らへの処分も行いながら公表していなかった。